芦屋駅から車に乗せられたデート商法？

様々な形で今でも根強く続いている詐欺や商法。

最近では通信インフラの発展に伴いネット関連の詐欺などが横行しているが、デート商法と称して高額な絵画などを見せられ購入させられる被害が首都圏を中心に多発していると聞く。
そんな事が今も続いていることに驚いている。




未だネット環境が整わないような十数年前に一度だけそのような場所に潜入した覚えがある。
二十歳そこそこだった自分は、連日のようにかかってくる電話にうんざりとしていた。
内容は、お知らせのハガキをあらかじめ送り、それを確認してもらってるかという確認から入り、最終的には今度会場に案内するとかどうとか。

もちろん案内のハガキなどは届いておらず、話のつかみとして言っているのだろうが、あまりにも毎日のように電話があり、話の途中でわざと電話を切ったり、適当に話をごまかしたりしていても埒があかないと思い、一度行ってみることにした。


当日、JR芦屋駅の改札北側で約束通りに女性が待っていた。
今思えば周辺に多数いた女性達も勧誘の人間だったのだろうと思う。
駅北側の歩道橋を降りた道路沿いに黒の4WD車が待ち構えていた。

女性と2人車に乗り込むと、北側に向かって車を走らせ始めた。
何分くらい乗っていたのだろうか？
周辺の住宅もキレイに整備されているような、小高い場所で止まった。

洋館のような大きな建物で、入り口付近にはカフェのようなものがあった。
広い庭があり、建物内1F部分は机といすが並べられて、飲食できるようになっていた。

会場にはサクラなのか勧誘された人間なのか、大勢の人間が集っていた。
その脇を通り階段で2Fに行くと、まずは絵画スペースに通されて絵を見ることに。
部屋の外には着物やスーツ、宝飾品などが多数展示されていた記憶がある。

一周ぐるりと建物内を見せられて、1Fスペースで席に座り、話をすることに。
これら高価な商品を今購入することで何が得なのか、どうのこうのと理屈を話し始めた。
話半分に聞いていたので、相手の質問に対して的確に答えられずまごつくことも。
早い話が「商品を買え」と言うことで、本当に交渉を成立させてるグループもちらほら。


成立させなければ帰さない雰囲気を感じたため、帰りたいと告げると、
数人の男性により庭に呼ばれ、黒いデッキチェアーに座らされた。
数十分ぐだぐた理屈をこねられながら、一向に帰そうとしてくれない状況が続く。

ふと隣の室内を覗くと、当時まだ派手で人気があったIZAMがゲストとして招かれていた。
信用をしてもらうためにサクラや芸能人まで招いて、芦屋の山奥でこんな事してるなんて。

何の進展もなく、適当に話を合わせていると、突然その頭の男性の電話が鳴った。
他からの呼び出しがあったようで、男性他数人はその場を離れて行ってしまった。

事実上解放と言うことだったのか、その後車に乗せられて駅まで戻ることが出来た。
非常に肝を冷やして疲れを感じたが、それ以降一切連絡等はなくなった。

今でも同じようなことをやっているのだろうか？